がん診療のご案内
Cancer Oncology
放射線治療・ハイパーサーミアセンター ハイパーサーミアとは

温熱療法は、電磁波を用いて病巣を加温することにより、化学療法や放射線治療の上乗せ効果を期待して行われる治療法です。一定時間以上の加温によって、細胞表面に存在する蛋白の発現が変化することによって、ある種の抗癌剤の取り込みが増加する可能性があります。また、放射線抵抗性の傾向のあるがん細胞は、加温によって放射線感受性が高まる可能性があります。
体外からの加温では、熱を身体の深部にまで到達させることは困難ですが、ハイパーサーミアは、患部の前後に置いた対極版の間にラジオ波を発生させ、身体の深部に熱を発生させる医療機器です。 1回の治療時間は最大50分までで、治療を受ける方の体力などを考慮しながら、適宜調節します。
当院では、原則として体幹部の腫瘍に化学療法ないし放射線治療を行っている方の補助治療としてハイパーサーミアによる温熱療法を行っています。
温熱療法の適応外となる場合
- ペースメーカを入れている場合
- 肥満や皮下脂肪が厚い体型である場合
- 治療は背臥位・腹臥位・座位のいずれかで行い、この姿勢を60分保持出来ない場合
- 小児または妊婦である場合
- 体内に金属がある場合
- PS(※下記参照)が2以上
- 金属ステントが留置されている
- 刺青を入れている(熱傷の原因になります)
- その他主治医が不適と判断した場合
PS(パフォーマンスステータス)とは
全身状態の指標の一つで、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。
- 0:まったく問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。
- 1:肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行う ことができる。例:軽い家事、事務作業
- 2:歩行可能で、自分の身のまわりのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
- 3:限られた自分の身のまわりのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。
- 4:まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす。
受診について
現在がん治療を行われている病院の先生からの紹介状を持参してください。原則として、化学療法ないし放射線治療との併用治療となりますから、 現在受けている治療の妨げとなる 可能性があると主治医が判断されている場合には適応外となります。
主治医の先生から温熱療法併用の許可が出ましたら、具体的な受診の日時を予約しますので、当院のがん支援相談室までご連絡ください。当院の温熱療法担当医が診察し、治療適応と判断されれば、治療が開始されます。
料金について
温熱療法は保険診療です。3ヶ月を1クールとし、同一部位に3クールまで継続して治療を行うことが可能です。化学療法と併用する場合、その治療日と近接した日時に温熱療法を行いますので、多くの方で1クール8回前後の温熱療法を受けることが可能です。
放射線治療と併用する場合の治療日は担当医が決定しますが、週に 1~2 回とするのが一般的です。 1クールの料金は、深在性悪性腫瘍の場合、一括して 90,000 円 (3 割負担の方で 27,000 円)、浅在性悪性腫瘍の場合 60,000 円 (3 割負担の方で 18,000 円) です。 1 クールの料金ですので、 支払いはクールの初回のみで、 2回目以降は再診料だけとなります。
(株式会社 山本ビニター提供)