がん診療のご案内
Cancer Oncology
放射線治療・ハイパーサーミアセンター 装置
当院の放射線治療装置
外部照射治療
当院では、2014年に高精度放射線治療装置のトモセラピーを導入しました。
トモセラピーの特徴

- 強度変調放射線治療(IMRT)
強度変調放射線治療とは、コンピュータの技術を駆使して、病巣に対して放射線の強度を変化させながら理想的な線量を照射する治療法です。また近傍の正常組織に対し、極力放射線の影響を抑えることができるので副作用の軽減につながります。トモセラピーは、強度変調放射線治療の専用機ですが、従来と同じような照射法も可能で、医師によって最適な照射法が選ばれます。 - 定位放射線治療(STI)
定位放射線治療とは、病巣に対し多方向から放射線を集中させ照射する法です。周囲の正常組織に当たる線量を極力減少させることを目的としています。 - 画像誘導放射線治療(IGRT)
治療の直前に必ずCTを撮影し、照射部位を確認することにより位置のズレをなくしてより正確な治療が行えます。 - 一度に複数の病変や縦に長い病変にも対応
従来では、複数の病変を一度に照射することは難しく、一箇所ずつ治療を行っていました。そのため治療時間が長くかかってしまいました。また縦に長い病変ではつなぎ合わせて照射を行っていましたが、つなぎ目部分が過線量になったり線量不足になったりしていました。トモセラピーではこのような病巣に対しても一連で治療が可能であり、時間短縮による患者負担の低減や安全で正確な治療ができるようになりました。
前立腺がんの治療
乳がんの治療

前立腺がん

乳がん

多発性骨腫瘍
悪性腫瘍ハイパーサーミア治療システム
サーモトロン-RF8

特徴
- 1)表面から深部臓器まで最適な加温ができる8MHzと1500Wの大出力
電磁波は周波数によって加温特性が大きく異なります。図Aに示すように、周波数が高くなるのに伴い減衰は著しくなり加温できる深さが浅くなっていきます。また加温野の温度分布も図-Bに示すように不均等になります。このようなことから、サーモトロン‐RF8では他の装置に比べて最も低い8MHzの電磁波を採用しましたので、表部はもとより、深部臓器まで、優れた加温ができるのです。さらに、電磁波出力は600Wから最大1500Wまで使用可能ですから。患者の体格や部位を問わず、広く用いることができます。 - 2)深部加温に優れたキャパシティブ加温方式と、均一加温に優れた円形ガントリー
サーモトロン‐RF8は2枚の対向する電極に生体部位を介在させるキャパシティブ加温方式を採用していますので、表部はもとより深部臓器の加温を確実・容易に行うことができます。またその加温部位は大型の円形ガントリーの中心部に位置するようになっており、ムラのない均等な加温分布が得られます。 - 3)生体加温に最適な発振方式
サーモトロン‐RF8の発振器は、生体部位を発振回路の一部とする生体加温のセルフ・エキサイテッド発振方式を採用しています。そのため、表部から深部まで、ほとんどの部位へ電磁波を確実・容易に流すことができますので、他の方式に比べて、加温能力は一段と高くなっています。 - 4)優れた加温性能を生む独自の負荷回路
サーモトロン‐RF8は、電磁波を生体内へ給電する負荷回路に、独自の負荷整合器を採用していますので、表部はもとより深部臓器の加温が、ほかに比べて一段と優れています。
塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いる内用療法
当院では、平成29年2月より塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いた内容療法を開始しました。
このラジウム-223には、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があり、注射で体内に送られると、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。そして、そこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞の増殖を抑えます。こうした作用によって、骨転移した去勢抵抗性前立腺がんに対して治療効果が期待できます。