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がん診療のご案内

Cancer Oncology

肝臓がん

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はじめに

肝臓は、人体の右上腹部に位置し、体のなかでもっとも重い臓器 (成人800g~1,200g)です。肝臓が、腸で吸収された さまざまな栄養素を代謝、貯蔵する(肝細胞)ほか、胆汁の生成や分泌、および解毒 (げどく)や排泄(胆管細胞)などの、生命の維持に必要な多くのはたらきを行なっています。また、肝 臓に入る血管には、酸素を運ぶ肝動脈(かんどうみゃく)と栄養素を運ぶ門脈(もんみゃく)の2 つの血 管系があります。
肝臓がんの種類は、大きく分けて2 種類あります。はじめから肝臓にできる原発性肝臓がんと、他の臓 器から転移して起こる転移性肝臓がんです。

原発性肝がん

■ 肝細胞が、がん化したものを肝細胞がん
■ 胆管細胞が、がん化したものを胆管細胞癌がん
といいます。
この2 つで原発性肝がんの98%を占めます。その他、のう胞腺癌、肝芽腫などあります。

転移性肝臓がん

肝臓は、酸素や栄養素を運ぶ大きな血管系があり、血液の流量が非常に多いことも特徴です。肝臓 以外の臓器にできたがん、例えば、大腸がん、膵がん、胃がん、乳がんなどから、がん細胞が血液の流 れに乗って肝臓に運ばれて、そこに着床してがん病巣を作ったものを転移性肝臓がんといいます。

各種検査

血液検査

肝機能や肝炎ウィルス、腫瘍マーカーなどの検査です。(一回の検査で全ての項目を 行っているわけではありません。)

超音波(エコー)腹部領域

超音波検査で肝臓の内部構造を詳細に観察することができます。また、隣接する他の臓器も観察可能です。

CT(コンピューター断層撮影法)検査

体の断層写真がえられます。肝臓にできた腫瘤が良性病変なのか、悪性なものなのかを診断し ます。その数や大きさ、周囲の血管との関係の詳細がわかります。

■ CT Early 画像

■ CT 中間 画像

■ CT Delay 画像

MRI検査(乳房)

放射線を使用せずに磁気を用いて任意の断面写真が得られます。

血管造影(アンギオグラフィ)

血管造影は足の付け根の動脈から細い管(カテーテル)を入れて行う検査(治療)です。細い管よ り、造影剤を流し撮影を行います。細い管より注入することで、直接病変近くを少量の造影剤で 行うことができ、より正確な診断が可能となります。

《補足》

また、がん等の化学療法治療が必要な場合、細い管より抗がん剤を注入することも 可能です。病気の程度によってこの治療を行うこともあります。

肝臓がんの病期分類(ステージ)

上記で『がん』と診断された場合、病期(がんの進行)分類を行っていきます。
原発性肝がんは、がんの個数、大きさ、血管や胆管などの脈管を巻き込んでいるかいないか(脈管 侵襲の有無)と、リンパ節転移の有無、他臓器への転移があるかないかということから4 つの病期(ス テージ)に分類されます。
転移性肝がんは、原発のがんが他臓器(この場合肝臓)への転移がある病期分類になります。

治療法について

下記の項目が、肝臓がんの主な治療法となります。

  • 肝切除(外科的切除)
  • 肝移植 ※当院では行っていません
  • エタノール注入療法
  • ラジオ波焼灼療法
  • 肝動脈化学塞栓療法
  • 化学療法など
  • 放射線治療

これらの中から、患者さんひとりひとりに適した治療法を選択していきます。 病変の大きさ、数、部位*、また肝機能を考慮して患者さんの病状にあわせた治療を決めていき ます。

部位*(補足)
肝臓内には門脈、肝動脈、肝静脈、胆管などの血管や胆管といった脈管が走行して います。そのため、肝区域分類が一般的に用いられており、肝臓は8 つの区域別に分けること ができます。

肝切除(外科的切除)

肝切除は肝臓の一部を除去する手術です。 肝切除術は肝臓がんの標準治療の1 つです。 肝臓は、8 つの区域別にわけて切除範囲を決め る「系統的肝切除」という考えに基づき、安全に 確実に切除されます。また残った正常な肝臓で肝 機能を維持させること大変重要となります。肝機 能が良好であれば肝臓の再生能力は高く、手術 によって小さくなった容積も短期間(半年前後) で十分に再生します。 多方面から切除範囲を決定し、肝部分切除(小範 囲)、肝区域切除(中範囲)、肝葉切除(大範囲)に 分かれ、手術となります。

肝移植※当院では行っていません

重症の肝臓病に対して、肝移植が行われることが あります。肝硬変を合併した「肝がん」も、 肝移植の適応となることがあります。

エタノール注入療法

エタノール注入療法は、超音波ガイド下に、細径 針を経皮的に腫瘍まで穿刺し、純度の高いエタノ ールを数mL注入して、腫瘍細胞を直接的に壊死 させる治療法です。

ラジオ波焼灼療法

ラジオ波焼灼療法は、エタノール注入療法と同様 に、エコーガイド下に腫瘍まで穿刺しますが、先端 からラジオ波を発生する穿刺針を用います。ラジ オ波によって、穿刺針の先端部分を中心に、径3 cm 程度の範囲が100℃近くの高温となり、腫 瘍細胞を壊死させます。

肝動脈化学塞栓療法

重症の肝臓病に対して、肝移植が行われることが あります。肝硬変を合併した「肝がん」も、 肝移植の適応となることがあります。

化学療法(分子標的治療)

分子標的薬とは 腫瘍細胞の増殖、浸潤、転移に 関わる分子を標的として がんの増殖や転移を 抑制することを目的に開発された化学療法薬剤 です。 肝臓がんに分子標的薬(ソラフェニブ)を用いた 化学療法を行うことで、がんはなくならないもの の、大きくならない状態が維持され、全生存期間 が延長されることが実証されています。 2017 年にはソラフェニブ不応例に対してのセカ ンドラインとレゴラフェニブの使用が承認、また 2018 年より新たなファーストラインとしてのレ ンバチニブが承認されました。

放射線治療

原発性肝癌の放射線治療には、体外照射、体幹部 定位放射線治療(定位照射)などがあります。門 脈や静脈内へ浸潤している場合、高齢者や内科 的併存疾患によって手術等他の治療が困難な場 合、あるいは肝門部などのリンパ節転移の場合 は根治的な体外照射を行っています。また、原発 性肝癌の形に合わせた放射線を多方向から集中 的に照射する体幹部定位放射線治療を行ってい ます。