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がん診療のご案内

Cancer Oncology

前立腺がん

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はじめに

前立腺は、男性のみに存在する器官のひとつです。膀胱の真下にあり、尿道を取り巻くように存在しています。 機能としては、前立腺液を分泌し、前立腺液は精液の一部となり、精子に栄養を与え、卵子と受精しやすくする 働きがあります。
生殖器の役割はありますが、男性ホルモンを分泌しているわけではないので、 前立腺がなくなっても男性らしさがなくなることはありません。
しかし、前立腺そのものは成長や活動に 関しては、男性ホルモンが大きく影響しています。
前立腺がんはこの前立腺の細胞ががん化したものをいい、65歳以上の多く発生する男性特有の高齢者がんです。 また、前立腺がんも他のがんと同じように、転移や再発することがあります。前立腺がんも男性ホルモンの影響を 受けて成長します。時間とともに進行し、リンパ節や骨など他の臓器に転移します。前立腺がんの成長 (期間や進行など)には人種差があることが知られており、アジア人は欧米人よりも遅い傾向があります。 時間とともに進行し、リンパ節や骨など他の臓器に転移します。人種差があるといっても、がんにかかっている方 を年齢別に調べてみると、60歳以上でその数が急激に増加します。いかに早い時期に発見し治療するかが大きな 鍵となります。

症状

前立腺がんは、ゆっくり成長し、症状が出るまで時間がかかるといわれております。現れる 症状としては、尿が出にくい、排尿時に痛みを伴う、尿や精液に血が混じるといった症状で す。ただし、尿が出にくい症状の多くは前立腺肥大症を原因とすることが多く起因している ため前立腺がんの存在を必ずしも意味しませんので、下記の診断検査が必要になってきます。

各種検査

PSA(前立腺特異抗原)検査

血液検査で測定します。

経直腸的前立腺触診

肛門から直腸に指を入れ、腸の壁越しに前立腺を触ります。前立腺の大きさや表面の形(凹凸)、弾力(硬さ)、触診時の痛みがあるかどうかなどを調べます。

前立腺超音波検査

超音波検査で前立腺の内部構造を詳細に観察することがあります。

MRI(磁気共鳴画像法)検査

強力な磁場を利用した画像検査のことです。

前立腺生検

細い針で前立腺組織を少し取って、顕微鏡で調べる検査です。顕微鏡では、細胞組織の成分を調べ、最も多い成分と、次に多い成分結果を踏まえがんの鑑別指標にしています。

前立腺がんの病期分類(ステージ)

上記で『がん』と診断された場合、病期(がんの進行)分類を行っていきます。

限局性前立腺がん
転移がない状態
局所進行癌
転移はないが、前立腺の外に広がっている進行がん
転移性前立腺がん
リンパ節や骨などに転移がある状態の3つに分類できます。

がん診断を参照や他の臓器を調べる検査として下記などがあります。

胸部レントゲン検査

がんが肺に転移していないかを調べます。

CT(コンピューター断層撮影法)検査

がんがリンパ節や他の臓器に転移していないかを調べます。

MRI(磁気共鳴画像法)検査

骨盤臓器の構造を見るのに優れた画像診断で、前立腺のどこにがんができているか 、前立腺の外に拡がっていないかを調べます。

RI(骨シンチグラフィ)検査

がんが骨に転移していないかを調べます。
病変のある骨に集まる性質を持 つ放射性物質(体内にほとんど害がないもの)を静脈に注射し、3~4時間後に特殊なカメ ラで撮影して画像にします。全身の骨を観察することができ、撮影時間は20分ほどで終了します。

治療法について

下記の項目が、前立腺がんの主な治療法となります。

PSA監視療法(無治療経過観察)

前立腺がんの中には、治療をしなくてもほとんど進行しないものがあります。
病状の悪化を示さない限り、なんら治療を行わず経過を観察する方法をいいます。
ただし、手術などの治療が必要となるタイミングをいち早く捉えることも重要ですので 、定期的に検査を受けることも大切です。

外科的治療(ロボット支援前立腺全摘除術)

前立腺全体と精嚢を摘出し、膀胱と尿道を吻合します。また、がんの広がりを確認するため や未然に転移を防ぐため、前立腺近くのリンパ節を一部とることもあります。
当院では、患者さんの生活のスタイル【生活の質を快適に、今までと同じように(QOL )】を念頭に置き、手術中はできる限り出血を抑えること、術後尿失禁を少なくするこ とを重要視しております。また2016年3月より新しい低浸襲治療としてda Vinc iを用いたロボット支援前立腺全摘除術(Robot assisted laparos copic radical prostatectomy;以下“RALP”)を積極的に行っております。

内分泌療法

前立腺がんは、男性ホルモンの影響を受けて進行するという性質を持っています。(はじめに参照)
この治療法は、続けていくうちにがんが耐性(少ない男性ホルモンでも進行していく)をも つ問題点もあり、放射線治療などの補助治療として併用することもあります。
また、合併症等により根治治療を受けられない方に内分泌療法を行うこともあります。※個人差があるため定期的な検査が必要になる場合もあります。

  1. 去勢療法 : 薬物による男性ホルモンの分泌を抑える方法です。
  2. 精巣摘出術(除睾術)手術 : 精巣(睾丸)を除去する手術を行い、男性ホルモンを低下させます。

抗がん剤療法

化学療法は薬を注射や点滴または内服することにより、がん細胞を消滅させたり小さくした りすることを目的として行います。一般的には、転移があるがんで、内分泌療法の効果がな くなったがんに対して行います。

放射線治療

根治治療としては下記の2通りの方法があります。いずれも副作用として、頻便や排便痛、 出血、頻尿や排尿痛などがありますが、重篤なものは少ないです。

放射線治療 (外照射療法)

体外から前立腺に放射線を照射します。現在は、強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiotherapy:IMRT)という高精度放射線治療を 標準治療としています。強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT)とは、正常組織の照射線量を抑えつつ 腫瘍部分に放射線を集中して照射できる画期的な照射技術です。総線量72〜76Gyの照 射を行い、さらなる局所コントロール率の向上、直腸・肛門等に対する消化管毒性の低減が 可能となってきています。一般的には週5回で7週間前後(37回照射)を要し、外来通院治療が可能です。

放射線治療 (重粒子線療法)

※当院では行えない治療です。※紹介させていただくことは可能です。

陽子線や重粒子線の場合は、照射するときのエネルギーによってある深さに大量の線量を与 え、その前後に与える線量は少ないので、線量がピークになる部分をがんの患部にあわせる こと照射することで治療していきます。