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大腸がん

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大腸がんとは

わが国において、大腸(結腸および直腸)癌は、男女とも罹患・死亡率が増加の一途をたどっており、その撲滅が国家的課題といえます。大腸癌が増加している背景には、食生活の欧米化に伴う便秘の習慣化や癌遺伝子の関与などが示唆されていますが、検診や内視鏡技術の発展による早期大腸癌の発見率の向上も関係しています。早期大腸癌に対する内視鏡的治療が普及し、また、化学療法も分子標的薬が加わることで発展を遂げ、大腸癌の治療成績は、以前よりかなり向上しています。しかし、進行大腸癌の治療成績は依然として不良であり、様々な治療法を組み合わせる集学的治療の発展が、ますます期待されます。

図1

(図1)大腸の解剖学的名称

症 状

血便(便潜血陽性)、便秘、下痢、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振など

診断法

病歴・診察、内視鏡、大腸透視、超音波検査、CTなど

(図2)大腸癌の内視鏡像(早期癌)

(図3)大腸癌の内視鏡像(進行癌)

(図4)直腸癌の透視像

治療法について

最新の「大腸癌治療ガイドライン 2016年版」に準拠し、患者さん一人一人に応じた最適な治療の選択を心がけています。

  1. 内視鏡的粘膜剥離(EMR)、粘膜剥離 (ESD)

    ごく早期の粘膜内に限局した癌に対しては、内視鏡的切除の適応が検討されます。最も低侵襲で、体の負担が軽い治療です。治療は、主に消化管内科が担当します。

  2. 手術

    内視鏡的治療が適応できない大腸癌に対しては、手術が考慮されます。大腸癌の進行度に応じて、腹腔鏡手術または開腹手術が選択されます。

    • 腹腔鏡下大腸切除術
      手術創は腹部に5-6カ所ずつで、いずれも1-2cmと小さいので、比較的低侵襲で、術後疼痛が少なく、迅速な回復が期待できます。大腸を、周囲リンパ節を含めて切除した後、吻合により再建します。腹腔鏡手術は術中出血や高度な癒着、周囲臓器に浸潤した癌などには対処が困難なことがあり、その場合には、安全を最優先して開腹術に移行することがあります。

      (図5)術中操作(S状結腸の展開)

      (図6)術中操作(下腸間膜動脈に沿ったリンパ節郭清)

      (図7)術中操作(自動縫合器による直腸の切離)

      (図8)術中操作(自動吻合器による吻合)

    • 開腹大腸切除術
      進行癌などに対しては、開腹大腸切除、再建術が施行されます。膀胱や子宮などの他臓器浸潤を伴う大腸癌に対しては、専門科と連携して、拡大切除を行います。
    • 人工肛門について
      人工肛門とは、小腸または大腸の一部を腹壁から体外へ引き出して、皮膚と固定させ、術後に排便ができる様にしたものです。肛門に近接した下部直腸癌や肛門管癌に対しては、直腸肛門切除に伴う永久的な人工肛門造設が必要なことがあります。これに対して、治療上の様々な目的で、人工肛門を期間限定で造設することもあり、通常は、数ヵ月〜1年程後に、人工肛門閉鎖術を行って、元の肛門から排便できる様にします。人工肛門には、パウチと言う袋を装着して排便の自己管理を行います。排便習慣が変わりますので、入院中に、専門看護師の指導による充分な練習が必要です。
  3. 化学療法

    術後の癌再発を予防するため、約半年の抗癌剤内服や点滴による化学療法が必要になることがあります。また、手術適応のない進行癌や癌再発の治療のためにも施行されます。使う薬剤は、5FU(ファイブエフユー)系薬剤やイリノテカン, オキサリプラチン、分子標的薬(ベバシヅマブ、パニツズマブ、ラムシルマブ)などです。

    入院期間について

    手術後は、1-2週間の入院治療が必要です。

    手術にともなう合併症

    以下の様な合併症を生じる可能性があります。

    術中合併症

    • 出血
    • 多臓器損傷

    術後合併症

    • 術後出血
    • 縫合不全
    • 吻合部狭窄
    • 創感染症
    • 腹腔内膿瘍

    その他の予期せぬ合併症

    手術に際し、予期せぬ稀な偶発症が起こる可能性は皆無ではありません。とくに、腹腔鏡下手術では、立体的な視認が難しいこと、鉗子を用いた間接的な操作が主であることから、予期せぬ偶発症が起こりえます。これらの偶発症が発症した際は、迅速に最善の治療を行うとともに、病状についてご本人・ご家族に十分な説明を行います。