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診療科紹介

Medical Info

睡眠呼吸障害センター特色

睡眠時無呼吸症候群の病態

羊・夜空イメージSASはご存知ですか? SASとは、スリープ・アプネア・シンドローム[SAS*Sleep Apnea Syndrome]日本では、”睡眠時無呼吸症候群”と呼ばれています。

睡眠時無呼吸は睡眠中に呼吸の停止と再開を断続的に繰り返す病気です。睡眠時無呼吸にはいくつかの種類がありますが、舌根部や軟口蓋などが落ち込んで喉をふさぐことにより生じる閉塞性睡眠時無呼吸がほとんどを占めます。
睡眠時無呼吸により昼間の眠気など日常生活に支障がある場合や高血圧などの合併症を生じている場合に睡眠時無呼吸症候群と呼びます。
睡眠中には上気道筋肉の緊張が緩み、そのために狭くなった気道を通して呼吸をすることによりいびきが発生します。上気道が完全に閉塞すると呼吸が停止します。このため窒息したのと同じ状態になり、血中の酸素濃度が低下します。やがて、無呼吸は激しい呼吸の再開とともに終ります。 この呼吸の停止と再開が、多い人では一晩に数百回起り、睡眠中の脳に無意識の覚醒をもたらし、睡眠が妨げられます。また、無呼吸による低酸素血症が、心臓などに負担をかけます。
喉がふさがる機序としては、舌が大きいとか元々喉が狭いなどの解剖的な要因、肥満(上咽頭への脂肪の蓄積)、アルコール摂取による筋弛緩などが関与していると考えられています。小児でも扁桃腺肥大が原因となって睡眠時無呼吸が生じます。

通常の呼吸イメージ
睡眠時無呼吸症候群

重症睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群は決してまれな病気ではなく、成人男性の4%、女性の2%くらいに認められると報告されています。
夜間の症状としては、激しいいびき、呼吸の停止、喘ぎ呼吸や窒息感、頻尿などがあります。
覚醒後の症状としては、朝の頭痛や倦怠感、熟眠感の欠如、昼間の眠気などがあります。昼間の眠気はさらに交通事故や労働災害、学業や作業効率の低下、抑うつ症状などにつながることがあります。

睡眠時無呼吸症状の代表的な症状グラフ

重症睡眠時無呼吸症候群の合併症

重症の睡眠時無呼吸効候群では、動脈硬化が進み、高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの発症が正常人の2-4倍くらい多いといわれます。最近では夜間突然死や認知症のリスクが高くなる可能性が報告されています。(Eur Respir J 2016;47:1169、JACC 2013;62:610、JAMA 2011;306:613)

睡眠時無呼吸症候群患者の非致死的心筋梗塞と脳梗塞の累積発症率

(MarinらLancet 365巻 2005年による)

検査

検査風景

診断には、まずご自宅で簡易検査(パルスオキシメーター検査)を受けていただき、睡眠時無呼吸があるかどうかを調べます。睡眠時無呼吸が疑われる場合は一泊二日の精密検査(終夜睡眠ポリグラフィ)を行い、診断の確定と重症度の評価を行います。
終夜睡眠ポリグラフィ―検査では、血中酸素飽和度、呼吸状態、脳波、いびき、胸腹部の呼吸運動、心電図、下肢の筋肉の緊張状態などを一晩検査します。そして無呼吸の回数、睡眠の状態などを解析して、重症度の評価と治療方針の決定を行います。

治療

中等症以上の睡眠時無呼吸症候群は症状の改善と心血管病などの合併症の予防という観点から治療が必要です。

一般療法

(1) 減量:体重が10%減少すると無呼吸の重症度(一時間当たりの無呼吸の回数)が25%低下すると報告されています。(JAMA 2000;284:3015) 当院では管理栄養士による食事指導により減量のサポートを行っています。
(2) 横向きに眠る:舌根の沈下が軽減されると考えられています。
(3) 飲酒の制限:アルコールは筋肉の弛緩作用があるため、舌根沈下を悪化させると考えられています。寝つきはよくなりますが、睡眠自体は浅くなり、睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させます。

マウスピース

歯科装具(マウスピース)

下あごを前方に引き出すように調整したマウスピースは、気道を広げるとともに、睡眠中の下顎の後退を防ぐことにより睡眠時無呼吸やいびきを軽減します。

手術療法

主に小児の場合、扁桃腺肥大やアデノイドが認められる場合は切除により無呼吸の改善が期待できます。
成人では口蓋垂軟口蓋咽頭形成術という手術があります。約50%の患者さんで無呼吸が半分程度に減少すると報告されています。もともとの無呼吸が重症の場合は効果が十分ではない場合があります。また高度の肥満の方では有効性が低いとされます。術後、鼻声になったり、水などが鼻腔へ逆流するなどの副作用があります。また再発もあるとされます。(Sleep 2010;33:1408)

持続陽圧呼吸療法(CPAP)

CPAP(シーパップ)療法

鼻に密着させたマスクを通して気道に風を送り、常時圧力をかけることにより、気道の狭窄や閉塞を防ぎ、無呼吸を減少させます。適切な圧のCPAPの使用により血圧や心血管病のリスクが低下することが報告されています。(Plos One 2013;8:e69432)。中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の治療の第一選択とされます。 原則として、月に一度の外来受診が必要です。