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診療科紹介

Medical Info

消化管内科-潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎

慢性の大腸炎を起こす病気です。原因はまだはっきりわかっていませんが、病気を起こしやすい遺伝的背景を持つ方に腸内細菌叢の乱れなどの環境因子が加わって、腸での免疫反応のコントロールに不具合が起こっていると考えられています。主な症状は粘血便(便に血液や粘液が混じること)、下痢、腹痛です。10~30代の若い方に起こりやすい病気ですが、最近では高齢の方に発症するケースも増えてきています。厚生労働省の特定疾患に指定されている難病です。

炎症性腸疾患の成因(シェーマ)

検査

問診、大腸内視鏡検査、生検(内視鏡で見ながら鉗子で2~3mm程の小さな組織片を採取し、顕微鏡で組織を見て診断します。)などで総合的に診断します。大腸内視鏡検査では、典型的には直腸から奥の方に連続して大腸粘膜の炎症が広がっています。ひどくなると膿性粘液(炎症によって出てくる膿のような粘液です)、出血、深い潰瘍などが見られます。他の病気でないことを確認するため、生検と細菌培養の検査を行います。

図:潰瘍性大腸炎の内視鏡像

発赤した(赤っぽい)顆粒状(ざらざらした感じ)の大腸粘膜を認めます。膿性粘液の付着も認めます。

治療

内科的治療は病気の程度、広がりによって変わります。
直腸にだけ炎症があるタイプ(直腸炎型)は5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤の飲み薬(リアルダ®錠、アサコール®錠、ペンタサ®顆粒・錠、サラゾピリン®錠など)や局所製剤(坐剤や注腸剤、ペンタサ®坐剤、サラゾピリン®坐剤、ペンタサ®注腸など)を用いて治療します。これらで効果不十分の場合には、ステロイドの局所製剤(レンタブル®注腸、リンデロン®坐剤、プレドネマ®注腸、ステロネマ®注腸など)に変更、または追加します。

直腸より奥の大腸に炎症が広がっているタイプ(左側大腸炎型、全大腸炎型)の軽症~中等症では、5-ASAの飲み薬(リアルダ®錠、アサコール®錠、ペンタサ®顆粒・錠、サラゾピリン®錠など)、ペンタサ®注腸、ステロイド注腸などがまず用いられ、これらが効かない場合や、中等症で炎症の強い場合、重症の場合にはステロイド(副腎皮質ホルモンです。その中でプレドニン®というお薬を使います)というお薬が中心となります。ステロイドが効かない場合、ステロイドを中止できない場合は、炎症を引き起こす分子に対する抗体のお薬(レミケード®、ヒュミラ®、シンポニー®、ステラ―ラ®、エンタイビオ®、ゼルヤンツ®)やプログラフ®という免疫抑制剤が用いられます。お薬に加えて白血球除去療法という体外循環で白血球を取り除く治療を用いることもあります。

上記の治療で炎症が治まった場合、よい状態を保つために維持療法を行います。維持療法は5-ASAの飲み薬やイムラン®などの免疫抑制剤の内服で行います。抗体のお薬で炎症を抑えた場合、維持療法もこれらのお薬を継続して行います。

図:潰瘍性大腸炎の治療(シェーマ)

潰瘍性大腸炎の治療目標は、以前、症状のコントロールがメインでした。近年、様々な治療薬が開発され、粘膜治癒(内視鏡的な治癒を意味しています)の達成を目指せる時代となってきました。粘膜治癒が得られているとその後の手術率や再発率が低下する事がわかってきており、今日では粘膜治癒が一般的な治療目標となっています。潰瘍性大腸炎には一部、内科的治療で抑える事ができず、手術が必要となる方がおられます。適切な時期に適切な治療を受けて、粘膜治癒が得られるように努力する事が大切と考えられます 。