婦人科でのロボット支援手術
ロボット支援手術の沿革
手術支援ロボットは1999年に米国で発売され、日本では2012年に前立腺がんに対して保険適応となりました。
婦人科領域では、2018年に子宮筋腫と子宮体がんに対する子宮摘出術が保険適応となり、2020年には骨盤臓器脱に対する仙骨腟固定術も保険適応となりました。
婦人科領域におけるロボット支援手術はここ数年で急速に拡がっており、2019年には良性において2017年の40倍、悪性において4倍に増加し、手術件数は2,000件を超えています。2020年以降も症例数は増加の一途を辿っており、今後も保険適応となる術式や症例数の増加が予想されます。
当科では2023年8月よりロボット支援手術を開始しましたが、「患者さんのための病院」として今後も質の高い医療の追求に努めてまいります。
ロボット支援手術の特徴
婦人科手術は、狭く深い骨盤内で行われるため、手術支援ロボット(ダヴィンチ)の強みが最大に活きます。最大10倍の3D拡大視野で重要な神経や血管を鮮明に捉えて温存し、手首のように曲がる鉗子※1(下の写真)と手ブレ防止機能により、狭い空間でも出血を抑えた緻密な切除が可能です。さらに、子宮筋腫のくり抜き後などの複雑な縫合も、開腹手術並みに頑丈かつ正確に行えるため、体への負担を大幅に軽減できます。
※1鉗子とは、刃のないハサミのような形をした医療器具の総称です。主に器官や組織などを挟んで引っ張る・引き寄せる・圧迫するなどの用途で用いるもので、目的により様々な種類と形状のものがあります。
従来の腹腔鏡手術との違い
| 比較項目 | 従来の腹腔鏡手術 | ロボット支援手術(ダヴィンチ) |
|---|---|---|
| 術野の視野 | 2D または 3D カメラ |
高精細 3D 拡大視野 最大10倍に拡大 |
| カメラの安定性 | 人間による保持(疲労や呼吸によるブレ) |
ロボットアームが保持 ブレのない安定した視野 |
| 鉗子の可動域 | 直線的な動きに限定 |
7自由度の関節構造 人間の手を超える可動域 |
| 手の震えの影響 | 術者の手振れがそのまま伝わる |
手振れを自動キャンセル (安定した操作が可能) |
| 術中出血量 | 開腹手術より少ない |
精密操作により さらなる出血量の低減が期待できる |
| 体への負担(侵襲) | 開腹より低侵襲 |
同等または傷口への負担をさらに抑えた低侵襲 |
POINT 01
高精細3D拡大視野
最大10倍に拡大された高精細な3D映像により、細い血管・神経・組織の識別が向上します。従来の腹腔鏡では確認が困難だった微細構造もクリアに捉えることができます。
POINT 02
7自由度の精密な鉗子操作
ロボット鉗子は7つの自由度を持ち、人間の手首以上の可動域を実現します。狭い骨盤腔内でも自在に操作でき、繊細な縫合・切離が可能です。
POINT 03
手振れの自動キャンセル
術者の不随意な手の震えをシステムが自動的にキャンセルします。安定した動作により、より安全な手術操作が可能となります。
POINT 04
低侵襲・早期社会復帰
精密な操作により周囲組織へのダメージを最小限に抑えることが期待できます。術後疼痛の軽減や早期社会復帰につながる場合があります。
POINT 05
安定した視野の確保
カメラをロボットアームが固定保持するため、長時間の手術でも術野が一定に保たれます。術者の疲労や呼吸による視野のブレを排除し、安定した環境を維持します。
婦人科でのロボット支援手術について
現在、ロボット支援下腟式子宮全摘術、ロボット支援下腹腔鏡下腟断端挙上術、ロボット支援下仙骨腟固定術を行っております。今後もロボット支援手術の安全な運営を心がけていきます。症例数も徐々に増えており、今後さらに安全で高度な手術を患者さんに提供し、地域医療に今まで以上の貢献ができれば幸いです。
ロボット支援手術・各種術式に関するQ&A
ロボット支援手術に関するよくあるご質問についてまとめました。
(回答については一般的な情報であり、個々の患者さんの状態によって治療方針は異なります。診察の際に産婦人科外来にてご相談ください。)
ロボット支援手術全体に関するQ&A
ロボットが自動で手術を行うのですか?
いいえ、ロボットが自己判断で動くわけではありません。熟練した医師が「サージョンコンソール」と呼ばれる操縦席に座り、3D高解像度モニターを見ながらコントローラーを操作します。その手の動きがリアルタイムに、かつ寸分違わずロボットアームに伝わり手術を行います。医師の「判断力・技術」とロボットの「精密さ」を融合させた高度な内視鏡手術です。
通常の腹腔鏡手術と比べて、どのようなメリットがありますか?
最大のメリットは「精密さと安全性の向上」です。肉眼の約10倍に拡大された3D立体画像により、微細な血管や神経走行を鮮明に確認できます。また、ロボットの鉗子(かんし)は人間の手関節を超える多関節可動域を備え、手ぶれ補正機能も搭載されています。これにより、出血量の減少、術後疼痛の軽減、周囲組織への侵襲低減、そしてより早期の社会復帰が期待できます。
どのような疾患が対象となりますか?
当科では、患者さんのQOL(生活の質)向上を第一に考え、以下の良性疾患を対象としてロボット支援手術を行っております。各疾患の詳細は当ページの「ロボット支援手術対象疾患」をご参照ください。なお、当科では子宮頸がん・子宮体がんなど悪性腫瘍の手術は行っておりません。
ロボット手術は自費診療となり高額になりますか?
当科で実施している良性疾患に対するロボット支援手術(子宮全摘術、腟断端挙上術、仙骨腟固定術)は、すべて健康保険が適用されます。さらに「高額療養費制度」をご利用いただくことで、ひと月あたりの自己負担額には所得に応じた上限が設けられます。過度な費用負担を心配することなく、最新の医療を受けていただけます。
手術を担当する医師はどのような資格を持っていますか?
手術は、日本産科婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医(婦人科腹腔鏡)、ならびに da Vinci Console Surgeon(Intuitive Surgical 社認定 ダヴィンチ術者資格)を有する医師がチームを組んで担当いたします。当科では、2026年4月時点で、ダヴィンチ術者資格を有する医師3名、内視鏡技術認定医3名(同医師が2資格を取得)が在籍しており、学会施設認定基準を満たした体制のもと、安全で確実な手術の提供に努めております。
入院期間や社会復帰までの目安を教えてください。
術式や術後経過によりますが、入院期間はおおむね4〜7日程度です。デスクワークなど軽い仕事であれば退院後1〜2週間程度、重労働や激しいスポーツは術後1〜2か月程度の安静期間を経て再開していただくことをお勧めしています。
腹腔鏡下腟式子宮全摘術に関するQ&A
どのような疾患がこの手術の対象になりますか?
当科では主に以下の良性疾患が対象となります。過多月経(出血量が多い)、重度な月経困難症(強い生理痛)、貧血、頻尿や便秘などの圧迫症状があり、薬物療法では十分な改善が見込めない場合や、根本的な治療を希望される場合に選択されます。
- 子宮筋腫
- 子宮腺筋症
- 子宮内膜増殖症
「腟式」とは具体的にどのような術式ですか?
当科で行うロボット支援手術は、子宮の切離から摘出後の腟の奥(腟断端)の精密な縫合閉鎖まで、すべての主要な操作をロボット支援下(腹腔鏡下)で行う「全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)」に相当する術式です。保険診療上の名称に「腟式」と含まれていますのは、最終的に切離した子宮を「腟側から体外へ取り出す(回収する)」ためです。お腹の傷を大きく広げる必要がないため整容性に優れ、術後の痛みも軽減されます。
子宮を摘出すると、すぐに更年期障害が起きてしまいますか?
女性ホルモン(エストロゲン)を分泌しているのは子宮ではなく「卵巣」です。良性疾患による手術では、術前の卵巣の状態や患者さんの年齢を考慮し、異常がなければ卵巣を温存します。卵巣を残せば女性ホルモンは引き続き分泌されるため、手術が原因で急激に更年期症状が出現することは通常ありません。ただし、月経(生理)や妊娠する機能は失われます。
子宮全摘出術においてロボット支援下手術を選択する医学的特徴は何ですか?
子宮体積が大きい症例(多発筋腫・巨大子宮筋腫など)や、帝王切開などの開腹手術既往、深部子宮内膜症により膀胱・直腸・尿管との癒着が想定される症例では、剥離操作の難度が上がります。
ロボット支援下手術は、以下のような工学的特性を有しています。
- 多関節鉗子(EndoWrist等)による多自由度の運針・剥離操作
- 3D画像による立体視と手振れ補正
- 術者の意図に沿った微細な動作再現性
これらの特性により、狭い骨盤腔内での縫合・剥離操作に適した術式の一つとされています。特に腟断端縫合における運針角度の自由度は、従来の腹腔鏡手術と比較して操作性に優れるとする報告があります。
子宮筋腫が非常に大きくてもロボット手術はできますか?
筋腫の大きさ、個数、位置によって判断します。MRIによる術前評価で総合的に判断し、最適な術式をご提案いたします。極端に大きい場合や癒着が高度に予測される場合には、安全のため開腹手術をお勧めすることもあります。
術後の合併症で気をつけることはありますか?
主な合併症として、出血、感染(腟断端感染・骨盤内膿瘍)、深部静脈血栓症、そして稀に術後の腟断端離開などがあります。退院後でも下腹部痛・発熱・出血などがあれば早めにご連絡ください。
腹腔鏡下腟断端挙上術に関するQ&A
どのような病気に対する手術ですか?
骨盤臓器脱(Pelvic Organ Prolapse:POP)の中でも子宮脱や小腸瘤に対する治療法です。子宮全摘術後に、膣断端を仙骨子宮靭帯に縫い付けて、緩んだ組織を骨盤内の本来の正しい位置に引き上げて固定します。
腟断端脱はどのような症状を起こしますか?
主な症状は以下のとおりです。
- 腟から何かが下がってくる感じ、脱出感
- 下腹部や会陰部の違和感・引っぱられる感じ
- 排尿障害(尿が出にくい、頻尿、腹圧性尿失禁)
- 排便障害(便が出にくい、残便感)
- 性交時の違和感や疼痛 など
この手術の医学的な特徴は何ですか?
本術式の特徴は、メッシュなどの人工物を使用しない術式(Native Tissue Repair:自己組織修復術)である点です。患者さんご自身の仙骨子宮靱帯などの支持組織を利用して腟断端を吊り上げ固定します。
人工物を使用しないため、メッシュびらん・感染・疼痛といったメッシュ関連合併症が原理的に生じない点が特徴とされています。一方で、自己組織を用いるため、組織の脆弱性に応じた再発リスクについては個別の評価が必要です。
ロボット支援下に行うことで、骨盤深部での運針操作における自由度が高まり、靱帯への確実な縫合をサポートする工学的特性を有しています。なお、骨盤臓器脱に対する術式には、本術式のほか仙骨腟固定術(メッシュ使用)、経腟手術などがあり、患者さんの年齢・骨盤臓器脱の程度・組織状態・既往歴などを総合的に評価のうえ、担当医が個別に術式を提案いたします。
◎メッシュびらんとは・・・体内に留置したメッシュが周囲の組織を刺激し膣や膀胱などの粘膜表面に露出すること
手術以外の治療法はありますか?
軽度の場合は、ペッサリー(腟内に挿入するリング状の器具)による保存療法や、骨盤底筋訓練が選択肢となります。ただし症状が強い場合、ペッサリーが装着できない・継続困難な場合、保存療法で改善しない場合は手術をご検討いただきます。
手術後に再発することはありますか?
いずれの骨盤底再建手術でも再発リスクは存在します。再発予防のため、術後も骨盤底筋訓練の継続、便秘の予防、重い物を持つこと・長時間のいきみを避けるなどの生活指導を行います。定期的な外来受診も大切です。
仙骨腟固定術との違いは何ですか?どちらが向いていますか?
当科で実施している「腹腔鏡下腟断端挙上術」と「腹腔鏡下仙骨腟固定術」は、いずれも下垂した骨盤内臓器を解剖学的位置に挙上・固定する術式ですが、人工物(メッシュ)使用の有無と固定方法が異なります。
- 腹腔鏡下腟断端挙上術(Native Tissue Repair)
メッシュを使用せず、患者さんご自身の仙骨子鞍靱帯などの支持組織を用いて腟断端を挙上・固定する術式です。人工物を使用しないため、メッシュ関連合併症は原理的に生じません。 - 腹腔鏡下仙骨腟固定術(Sacrocolpopexy)
ポリプロピレンメッシュを腟壁に縫着し、仙骨岬角部の前縦靱帯に固定する術式です。腟を温存しながら複数部位の脱出を一期的に修復することが可能です。
術式の選択にあたっては、以下の要素を総合的に評価いたします。
- 脱出の部位と程度(POP-Q分類等による評価)
- 子宮の有無(既摘出か否か)
- 年齢・全身状態・既往歴
- 性活動性・生活様式
- 患者さんのご希望(人工物使用の可否を含む)
診察・検査結果をもとに、各術式の特徴・想定される合併症・術後経過について十分にご説明し、患者さんとともに適切な術式を選択いたします。
腹腔鏡下仙骨腟固定術に関するQ&A
仙骨腟固定術(RSC)とはどのような手術ですか?
仙骨腟固定術(Sacrocolpopexy)は、骨盤臓器脱(子宮脱・腟断端脱・膀胱瘤・直腸瘤など)に対して行われる術式の一つです。
ポリプロピレンメッシュを腟前壁や腟後壁に縫着し、仙骨岬角部の前縦靱帯に固定することで、下垂した骨盤内臓器を解剖学的位置に挙上・支持します。
本術式は腹腔鏡下またはロボット支援下に行われ、国内では2014年に腹腔鏡下仙骨腟固定術が、2020年にロボット支援下仙骨腟固定術が保険収載されています。骨盤臓器脱に対する術式選択肢の一つとして位置付けられており、骨盤臓器脱の程度・年齢・活動性・既往歴等を総合的に評価したうえで適応を判断いたします。
どのような症状の方が手術の対象になりますか?
以下のような症状で日常生活に支障をきたしている方が対象です。
- 腟から何かが下がってくる、ピンポン玉様のものが触れる(脱出感)
- 下腹部・会陰部の違和感、下垂感
- 頻尿、排尿困難、残尿感、腹圧性尿失禁
- 便秘、排便困難、残便感
- 長時間の立位・歩行で症状増悪、臥位で軽減
- 性交障害
他の骨盤臓器脱手術(経腟メッシュ手術など)とどう違いますか?
骨盤臓器脱に対する手術には、主に以下の術式があります。
- 経腟メッシュ手術(TVM:Tension-free Vaginal Mesh)
- 仙骨腟固定術(Sacrocolpopexy:腹腔鏡下/ロボット支援下)
- 自己組織を用いた経腟手術(Native Tissue Repair)
- 腟閉鎖術(性交渉を希望されない高齢患者向け)
経腟メッシュ手術(TVM)は、腟壁側からメッシュを挿入・留置する術式です。米国FDAは2019年4月、経腟的骨盤臓器脱修復用メッシュ製品について市販承認を取り消す措置を行いましたが、日本国内では薬事承認された製品を用いた手術が現在も実施されています。
仙骨腟固定術は、腹腔側からメッシュを留置し、仙骨前縦靱帯に固定する術式です。アプローチ経路・メッシュの留置位置・固定部位がTVMとは異なります。
各術式には固有の特徴・適応・合併症があり、優劣を一概に論じることはできません。患者さんの年齢・脱出の部位と程度・性活動性・全身状態・既往歴等を総合的に評価したうえで、術式の選択肢をご提示し、十分なインフォームド・コンセントのもとで決定いたします。
腹腔鏡下腟断端挙上術と仙骨腟固定術の違いは何ですか?
当科で実施している「腹腔鏡下腟断端挙上術」と「腹腔鏡下仙骨腟固定術」は、いずれも下垂した骨盤内臓器を解剖学的位置に挙上・固定する術式ですが、人工物(メッシュ)使用の有無と固定方法が異なります。
- 腹腔鏡下腟断端挙上術(Native Tissue Repair)
メッシュを使用せず、患者さんご自身の仙骨子鞍靱帯などの支持組織を用いて腟断端を挙上・固定する術式です。人工物を使用しないため、メッシュ関連合併症は原理的に生じません。 - 腹腔鏡下仙骨腟固定術(Sacrocolpopexy)
ポリプロピレンメッシュを腟壁に縫着し、仙骨岬角部の前縦靱帯に固定する術式です。腟を温存しながら複数部位の脱出を一期的に修復することが可能です。
術式の選択にあたっては、以下の要素を総合的に評価いたします。
- 脱出の部位と程度(POP-Q分類等による評価)
- 子宮の有無(既摘出か否か)
- 年齢・全身状態・既往歴
- 性活動性・生活様式
- 患者さんのご希望(人工物使用の可否を含む)
診察・検査結果をもとに、各術式の特徴・想定される合併症・術後経過について十分にご説明し、患者さんとともに適切な術式を選択いたします。
使用するメッシュはどのようなものですか?
当科では、骨盤臓器脱手術用として薬事承認を受けた軽量ポリプロピレン製メッシュ(ボストン・サイエンティフィック社製)を使用しています。本製品は仙骨腟固定術への使用が承認されており、国内外で使用実績のある製品です。
仙骨腟固定術では、腹腔側からメッシュを留置し仙骨岬角部の前縦靱帯に固定する術式構造のため、腟壁側に直接メッシュを露出させる経腟メッシュ手術とは、メッシュの留置位置・周辺組織との接触環境が異なります。
ただし、いかなる術式・製品においても合併症の可能性をゼロにすることはできません。仙骨腟固定術においても、メッシュびらん・感染・腸管癒着・神経損傷等の合併症が報告されており、術前に十分ご説明したうえで実施いたします。
ロボット支援下に行うことで、骨盤深部での運針・縫合における操作性が高まり、メッシュ固定の手技的サポートとなる工学的特性を有しています。
◎メッシュびらんとは・・・体内に留置したメッシュが周囲の組織を刺激し膣や膀胱などの粘膜表面に露出すること
術後の合併症にはどのようなものがありますか?
考えられる合併症として、出血、感染、膀胱・尿管・腸管・血管(特に仙骨前面の正中仙骨動静脈)損傷、術後の便秘・排尿障害、新規発症の腹圧性尿失禁、稀にメッシュびらん・感染、深部静脈血栓症・肺塞栓症、腸閉塞などがあります。ロボット支援による精密操作で、これらのリスク低減に努めています。
◎メッシュびらんとは・・・体内に留置したメッシュが周囲の組織を刺激し膣や膀胱などの粘膜表面に露出すること
術後の生活で気をつけることはありますか?
術後しばらくは以下にご注意ください。
- 重い物(目安5kg以上)を持たない(術後概ね3か月)
- 長時間のいきみを避ける(便秘予防が重要)
- 骨盤底筋訓練を継続する
- 適正体重の維持
- 慢性咳嗽がある場合は治療する(禁煙を含む)
再発予防のため、定期的な外来受診をお願いしています。
高齢ですが手術を受けられますか?
年齢のみで手術適応を判断することはありません。以下の項目を総合的に評価したうえで、適応と術式を検討いたします。
- 全身状態・併存疾患(心疾患・呼吸器疾患・腎機能等)
- ADL(日常生活動作)・フレイル評価
- 認知機能
- 性活動性・生活様式
- ご本人およびご家族のご希望
仙骨腟固定術は気腹下・頭低位(Trendelenburg体位)で行うため、循環動態・呼吸動態への影響を考慮する必要があります。重度の心肺疾患を有する患者さんの場合は、気腹・頭低位を必要としない経腟手術(経腟的腟壁形成術、腟閉鎖術等)を選択肢としてご提案することがあります。
術前には麻酔科・必要に応じて循環器内科・呼吸器内科と連携し、周術期リスク評価を行ったうえで術式を決定いたします。患者さんの状態に応じた適切な治療選択肢をご提案いたします。