医療法人 原三信病院
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冠動脈CTについて

当院では、320列CT「Aquilion ONE(キヤノンメディカルシステムズ社)」を導入しております。

320列CTでは、従来の64列CTや80列CTと比較して広範囲撮影が可能で、より短時間で検査が終了します。
また、従来よりも少ない放射線量でもこれまでと同等の画像が撮影できるため、被ばく量を低減させることができます。

これらの特徴により、患者さんにとってより負担が少ない検査が可能です。

冠動脈CTについて

冠動脈CTは、冠動脈狭窄が起こっていないかなどを調べるために行われます。冠動脈狭窄により、血液の流れが悪くなることで狭心症や心筋梗塞の原因となります。

これまで冠動脈の状態を調べるためには入院をして「心臓カテーテル検査(細い管を動脈または静脈内に挿入し、心臓近くまで到達させる検査)」を行う必要がありましたが、カテーテル挿入に対して不安や緊張を感じる患者さんも少なくありません。冠動脈CTは、心臓カテーテル検査と同じような画像を外来の検査で撮影することができます。

320列CT装置による冠動脈CT

撮影時間の短縮・造影剤の使用量の低減

従来の64列CTでは1回の撮像幅が約3cm程度であるため、全心臓を撮影するには事前に薬で心拍数を十分に下げ、患者さんに呼吸を十数秒止めていただいた上で3心拍程度撮像を行う必要がありました。
しかし、320列CTでは1回の撮像幅が16cmであるため、事前の心拍数調整やごく短時間の息止めは必要ですが、1回の心拍で極めて解像度の高い冠動脈像を得ることができます。

また、撮影時間の短縮により、64列CTと比較して造影剤の使用量を約50%低減できます。

被ばく量の低減

撮影時間の短縮に加えて、AI 技術の一つであるディープラーニングを応用した画像再構成技術を搭載しているため、64列CTと比較して、被ばく量を約30%低減させながら高画質の画像を得ることができます。

形態診断だけでなく機能診断も可能に

短時間で複数回の撮像が可能なことにより、冠動脈内の造影剤の充満速度から機能的な冠血流の評価も行うことができます(冠動脈パーフュージョンCT、FFR-CT)。
単純な静止画の撮像のみならず、血流を軸として機能的評価も可能です。

320列CT新技術の紹介

超解像画像再構成技術 PIQE

冠動脈撮影に特化した超解像画像再構成技術 PIQE(Precise IQ Engine)を搭載し、被ばくを低減しながらも鮮明な画像を実現できます。

画像再構成技術 AiCE

AiCE(Advanced Intelligent Clear-IQ Engine)は、AI技術のひとつであるディープラーニングを用いた新たな画像再構成技術です。AiCEを使用することで、ノイズ成分と信号成分を識別し、ノイズ成分を削除します。これにより、被ばく量を大幅に低減することが可能になります。

冠動脈CTについての紹介動画

動画のサムネイル