医療法人 原三信病院
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慢性糸球体腎炎

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概要

慢性糸球体腎炎は、腎臓の糸球体という部位が長期間にわたって炎症を起こす慢性的な疾患です。糸球体は、血液をろ過して体内の不要な物質を排泄する重要な役割を果たしています。慢性糸球体腎炎では、糸球体が損傷し、正常な機能を果たせなくなります。

原因・症状

慢性糸球体腎炎の原因はさまざまであり、以下のような要因が関与する可能性があります。
□免疫系の異常:自己免疫反応によって糸球体が攻撃されることがあります。
□感染症:細菌感染やウイルス感染(例:ウイルス性肝炎、HIVなど)が慢性糸球体腎炎を引き起こすことがあります。
□代謝異常:痛風や糖尿病などの代謝異常が慢性糸球体腎炎を促進する可能性があります。

慢性糸球体腎炎は初期には症状がほとんど現れないことがあり、徐々に進行していきます。一般的な症状には以下が含まれます
□尿量の変化:多尿または少尿が生じることがあります。
□血尿:尿中に血液が混じることがあります。
□むくみ:足や手のむくみが生じることがあります。
□高血圧:血圧が上昇することがあります。
□疲労感:体のだるさや疲れが継続することがあります。

検査

慢性糸球体腎炎の診断には、以下の検査が行われる場合があります。
□尿検査:尿中の異常な成分や血液の有無を確認します。
□血液検査:腎機能や炎症反応の評価を行います。
□腎生検:糸球体の組織を採取して病理学的な評価を行います。

治療

慢性糸球体腎炎の治療は、病気の進行を遅らせることや症状の緩和を目指すことが主な目的となります。治療の具体的なアプローチは、原因や症状の重症度に応じて個別化されます。以下に一般的な治療方法をいくつか説明しますが、専門医の指示に従うことが重要です。
□基本的な管理:
・高血圧の管理:血圧コントロールは非常に重要です。降圧薬の処方や食事の見直しなどが行われる場合があります。
・タンパク尿の管理:タンパク尿を制御するために、タンパク質摂取の制限や薬物療法が行われる場合があります。
□免疫抑制療法:
・ステロイド薬の使用:炎症を抑えるためにステロイド薬が処方されることがあります。
・免疫抑制剤の使用:重症の場合やステロイド単独で効果が不十分な場合には、免疫抑制剤(アザチオプリン、シクロスポリンなど)が追加されることがあります。
□対症療法:
・尿毒症の管理:腎機能が低下している場合には、透析療法や腎移植が必要となる場合があります。
・むくみの管理:利尿薬や食事制限によりむくみを軽減することがあります。
□栄養管理:
・塩分制限:むくみや高血圧を管理するために、塩分制限が推奨されることがあります。
・タンパク質制限:タンパク質制限は腎機能の維持に役立つ場合があります。
定期的な医師のフォローアップと適切な治療計画の実施が重要です。また、生活習慣の改善(喫煙や過度の飲酒の避け、バランスの取れた食事、適度な運動)も病気の進行を遅らせるために重要な役割を果たすことがあります。